2011/05/02

もののふの魂

今の時代、「サムライ」だの、「もののふ(武士)」だのと言っているのを聞くと仰々しく思えてしまうものである。しかしお会いして思った、この人は筋金入りだ、と。

西護さんは南相馬市原町区石神に住む野馬追のメンバー。15歳の初陣から数え、昨年までで62年間連続で出陣している。

野馬追とは一千余年の歴史がある旧相馬藩領の神事・祭りで、甲冑行列や神旗争奪戦などが執り行われる。西さんにとって野馬追とは「相馬藩の歴史」であり、「伝統文化」であり、「サムライとしてそれらを守るために血が騒ぐ」のだと言う。

普段の西さんは小柄で、柔和な顔をして喋るおじいちゃん。震災後も20キロ圏内も含め、仲間と共にこの地域に残された馬の救出に奔走した。これも「武士の情」か。しかし馬と接する際は顔が引き締まり、武士の威厳を感じさせる。

今年は野馬追の開催は危ぶまれているが、西さんに宿り、西さんが誇りとする「もののふの魂」は、一生揺らぐことは、ない。





0 件のコメント:

コメントを投稿