2011/06/06

呼び声

2ヶ月以上を経ても、墓石は津波で流されたままだった。

生活再建の優先に加えて、津波再来や放射能を案じて、みな手をつけられないでいる。

血縁が濃いこの地域の人々にとって、先祖のお墓を放置する無念はひとしおだろう。

荒涼とした大地で、墓石が夕日を浴びて光輝いていた。

まるで、そこに在ることを呼びかけているかの如く。


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